【糖尿病三大合併症(各論)】 ⑤ 糖尿病性腎症について|桜ヶ丘クリニック|兵庫県伊丹市の総合内科・腎/高血圧内科

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【糖尿病三大合併症(各論)】 ⑤ 糖尿病性腎症について|桜ヶ丘クリニック|兵庫県伊丹市の総合内科・腎/高血圧内科

【糖尿病三大合併症(各論)】 ⑤ 糖尿病性腎症について

最後に糖尿病三大合併症の一つである糖尿病性腎症についてお話しします。

 

(1) 糖尿病性腎症とは

糖尿病性腎症は高血糖状態が長く続くことによって腎機能が低下した状態のことを示します。糖尿病になってから約10〜15年以上たってから発症することが多いといわれています。初期はほとんど自覚症状がありませんが、進行するとむくみや貧血等がみられるようになります。そしてさらに進行すると尿がほとんど出なくなり、肺に水分がたまることによる呼吸困難,尿毒素が体に貯留することによる食欲不振や意識障害、などが見られるようになります。この状態を末期腎不全と呼び、最終的には腎機能の代わりをする『人工透析』が必要となります。

現在人工透析の原因疾患の第1位はこの糖尿病性腎症であり、我々腎臓内科医にとって糖尿病は切っても切れない存在となっております。また糖尿病性腎症は一度進行してしまうとそこから先は徐々に確実に悪化していきます。そのためいかに糖尿病性腎症を初期の段階で食い止めるかが重要となります。これには一般内科や糖尿病内科の先生方のお力も非常に重要であり、現在医療界における最も大きなプロジェクトの一つにもなっております。

 

(2)糖尿病性腎症の症状

糖尿病性腎症の初期は無症状であることがほとんどですが、進行すると以下のような症状が出現します。

【代表的な症状】 高血圧、むくみ、食欲不振、息切れ、吐き気 等

 

しかし先述の通りかなり進行してから初めて症状が出てくることも多く、無症状の時点でいかに治療介入するかが重要となります。

 

(3) 糖尿病性腎症の治療(根本治療)

ある程度のステージまでは糖尿病の厳格な管理や腎保護薬を用いることで改善を見込むことができます。しかし一定のステージを超えると腎機能自体が改善することはなく、不可逆的に腎機能低下が進行していくことが知られています。最終的に末期腎不全に陥った場合、人工透析や腎移植を行わなければ確実に死に至ります。繰り返しになりますがとにかく早めに治療開始をすることをお勧めします。

 

(4) 糖尿病性腎症の合併症治療

糖尿病性腎症だけでなく、慢性腎不全には下記の通り沢山の合併症が挙げられます。それぞれに対してしっかり治療しなければ透析療法が早まるだけではなく命に関わります。以下のような症状がある場合は、薬の副作用などは心配せずに速やかに治療しましょう。

 ① 体液貯留

尿量が減ると体内に余分な水分が貯留し、むくみや胸水(肺に水がたまる)が出現します。この場合飲水制限(1日1L未満)や利尿薬治療が必要です。

 ② 尿毒素貯留

老廃物を尿で排出できないため毒素がたまります。毒素を減らすためにはタンパク制限が必要になります。

 ③ 高カリウム血症

尿にカリウムを捨てられないことにより高カリウム血症になります。高カリウム血症は最悪の場合心停止に至ります。食事中のカリウム制限する(生野菜/果物の摂取制限)、カリウムの排泄を促す薬を飲む、が治療になります。

 ④ 腎性貧血

腎臓が悪くなると貧血が見られるようになります。この場合、造血剤の注射や飲み薬を内服する必要があります。

 

 

以上、糖尿病性腎症に関して説明しました。

これで糖尿病三大合併症に関しては終了となります。次項は糖尿病三大合併症以外の合併症に関してお話させて頂きますね!ここまでご覧いただいた方は長かったと思いますが本当にお疲れさまでした。