”人間の医師”の日常臨床 ~鑑別診断と除外診断の重要性 Part5~ 胸痛を例に
- 2024年4月24日
- お知らせ
ここからはKiller5以外の疾患の特性を説明していきます。
〇狭心症→運動時に増悪する、締め付けられるような痛み、肩や顎に響く、冷汗あり
〇心膜炎→かぜのような症状と共に胸の痛み等が出る
〇肺がん→基本的に無症状、胸痛が出るほどであれば血痰や咳も伴うことが多い
〇胸膜炎→咳,痰などの肺炎症状+息を吸ったときに痛い
〇逆流性食道炎→寝転んだ時や食後に悪化する、咳やのどの痛みも多い
〇心因性胸痛→ストレスと共に症状が出る、他にも様々な症状があることが多い
このような知識を前提にさらに患者さんの問診を進めていくことになります。例えば狭心症ですが、これは”心臓の血管が狭くなったことによって起こる症状”を指します。このような症状病名は決してすぐに検査するのではなくまずは問診で見極めていくことが重要です。
では今回の症例で医師が聞くべきことは上述の内容ということになりますが…これも日常臨床にはそぐいませんよね。オーダーメイド感が強くなりすぎるため非常に時間効率が悪いです。ここで我々が持ち出す問診の方法、それが『痛みのOPQRST』です。詳しくは次項に移ります。