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”人間の医師”の日常臨床 ~鑑別診断と除外診断について Part3~ 胸痛を例に考察

2024.04.22

先述の胸痛の鑑別診断をまずお示しします。

【臓器別】

(心臓:狭心症、心筋梗塞、心膜炎、不整脈 etc

(肺:肺がん、肺気胸、肺塞栓 etc

(胸膜:胸膜炎、癌の胸膜転移 etc

(食道:逆流性食道炎、特発性食道破裂 etc

(大動脈:大動脈瘤破裂/切迫破裂、大動脈解離

(精神:心因性

 

【緊急性別】

Killer 5:心筋梗塞、肺塞栓、大動脈解離、緊張性気胸、特発性食道破裂

Killer 5以外:()()のうちのKiller5を除くその他の疾患

 

ここから除外診断が重要になってくるわけです。特に危険なのはもちろんKille5ではありますが、ではKiller5か否かはどのように判断するのでしょうか?もちろん最終的には造影CTやカテーテル等の検査でしか確定診断はできないわけですが、胸痛で来られた患者さん全員にそれを検査するなんて時間効率も悪くめちゃくちゃですよね(笑)。そこで検査よりもっと大事になってくるのは『問診』です。ではKiller5か否かを判別する際に、患者さんから聞き出すべき最も重要なキーワードはなにか。それは『突然の痛みか否か』です。これを医学用語ではOnsetと呼びます。

 

救急の世界でSudden Onset(突然の痛み)は最悪の病歴です。考えるべきことは3つ。

Sudden Onset =詰まった/ねじれた/破れた

 

実はKiller5は全てSudden Onsetの疾患です。

(心筋梗塞=冠動脈が詰まった、肺塞栓=肺動脈が詰まった、大動脈解離=大動脈が破れた、緊張性気胸=肺が破れた、特発性食道破裂=食道が破れた)

 

つまり極端なお話をすると、『話を聞くだけで命に関わる緊急性の高い疾患ははじくことができる』ということです。(もちろんバイタルサインとかも大事ですが)

 

ここまで大丈夫でしょうか?長くなったので次に移ります。

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