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”人間の医師”の日常臨床 ~鑑別診断と除外診断について Part1~ 胸痛を例に考察

2024.04.21

今回のテーマでは医師が日常においてどのように診療しているかをお伝えしたいと思います。この際に最も重要なことは (1)鑑別診断 (2)除外診断です。では日常の診療風景を例に挙げながらお伝えしていきます。今回は胸が痛いという症状で来られた患者さんで考えていきます。

 

患者さん『1週間くらい左胸が痛いです』

 

医師はこの症状を聞いた時点でまず『可能性のある病気=鑑別診断』を挙げることになります。では左胸が痛くなる病気の鑑別診断は何があるかというと、実は膨大にあります()。今回は臓器別に代表的な鑑別診断を挙げてみます。

 

(心臓:狭心症、心筋梗塞、心膜炎、不整脈 etc

(肺:肺がん、肺気胸、肺塞栓 etc

(胸膜:胸膜炎、癌の胸膜転移 etc

(食道:逆流性食道炎、特発性食道破裂 etc

(大動脈:大動脈瘤破裂/切迫破裂、大動脈解離

(精神:心因性

 

これらを『鑑別診断』と呼ぶことになります。可能性を挙げるときりがないですね。。

しかし実際は患者さんを苦しめている病気はこのうちの1つだけであることがほとんどです(人間そんなに同時に病気になるものではないのでたくさんの病名をつけるのは悪手=オッカムの剃刀)。ここから鑑別診断のさらなる絞り込みが必要となりますがそこを話すと長くなるので次項に移します。

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