前項では危険な胸痛の見極め方についてお話ししました。
とにかく『突然発症の胸痛』は要注意ということです!
次に突然発症ではなくても危ない疾患もありますので、それらの見極め方を考えていきます。
胸部不快感がある時に真っ先に皆さんが思い浮かべるのは『狭心症』だと思います。
そのため本項ではまず狭心症について説明していきます。
【狭心症について】
(1)最も大事な血管=『冠動脈』
狭心症を理解するにはまずこの冠動脈について知る必要があります。心臓は全身に血液を送りその中に酸素や栄養を届ける臓器ですが、この心臓自体も酸素や栄養が届かないと働くことができません。この心臓に栄養を送り届ける血管が『冠動脈』であり、これが心臓が問題なく働くために非常に重要となります。
(2)狭心症とは
狭心症は文字通り『心臓の血管 が狭くなった時に起こる胸の症状』です。そしてこの心臓の血管はずばり冠動脈です。つまり狭心症とは、心臓に栄養を与える冠動脈が細くなることによって本来心臓が必要とする酸素や栄養が届かないため胸が痛くなる現象のことを指します。
(3)どのような人がなりやすいのか
冠動脈が細くなる原因はやはり『動脈硬化』です。
そして動脈硬化は 【① 高血圧 ② 糖尿病 ③ 脂質異常症 ④ 喫煙 ⑤ 加齢 etc】により進行していきます。
そのため高齢者の胸痛の場合は狭心症は要注意ですが、逆に若くて上記の動脈硬化素因が全くない方の場合は狭心症の可能性はぐっと低くなります。後者の場合は狭心症とは異なる胸痛を考える方がよいと考えられます。
ここまでいかがだったでしょうか。
狭心症だけでも内容がかなり長くなるので続きは次のブログに移りますね。