皆さん、急速進行性糸球体腎炎という疾患はご存じでしょうか?
実は腎不全には時間経過で分けた場合、以下の3つのタイプが存在します。
① 急性腎不全:日単位で腎臓が悪くなる、最悪の場合数日で透析に至る可能性
② 慢性腎不全:年単位で腎臓が悪くなる、10年以上かけて透析に至る可能性
③ 急速進行性糸球体腎炎:月単位で悪くなる、半年~1年に透析に至る可能性
前回は慢性腎不全について説明しました。今回は③の急速進行性糸球体腎炎をテーマにお話ししていきます。今回は小難しい内容はなるべく省いて書かないようにします。
【恐ろしい病気 急速進行性糸球体腎炎】
前回お話ししたように透析の大部分は慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症(高血圧による慢性腎不全)が原因となります。これらは慢性腎不全に分類されます。
しかし慢性糸球体腎炎や糖尿病/高血圧が全くないにも関わらず、ある日突然腎臓が悪くなり気付いたら半年ほどで透析になってしまう。そんな恐ろしい病気が急速進行性糸球体腎炎です。
■ 急速進行性糸球体腎炎の原因
急速進行性糸球体腎炎とは文字通り急速に腎臓が悪くなる病気ですが、これはあくまでそういう現象を示すものであり正式な病名ではありません。そのような事態を起こす原因となる元の病気があります。
例えば、IgA腎症/ANCA関連血管炎/全身性エリテマトーデス/Good Pasture症候群…等があります。正直あまり聞きなじみないですよね。。確かにこれらは糖尿病性腎症やそこまで多くはない病気ですが、突然これまでの人生をがらっと変えるような病気なので恐ろしいものです。これらの疾患は『自分の免疫が間違って自分の腎臓を攻撃する』という共通点があり、いわゆる自己免疫性疾患の1種に分類されます。
■ 急速進行性糸球体腎炎による透析を防ぐためには?(重要!)
とにかく尿検査や血液検査で早期発見することが肝心です。
ここで特に重要なのは『尿潜血+尿タンパクが同時に出ている』という尿検査異常です。これがある方は本当に要注意です。今すぐにでも腎臓内科に受診して詳しく検査を受けてください。もしこの状態を放置すると半年後には透析の生活になってしまっていることもありえます。そしてこんな恐ろしい病気もありますので、かかりつけ医をお持ちの方は必ず定期的に血液検査/尿検査を受けるようにしてくださいね!
今回はあっさりですが以上とします。ご覧いただきありがとうございました。