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【糖尿病三大合併症(各論)】 ④ 糖尿病性網膜症について

2022.10.12

次は『糖尿病性網膜症』についてお話しします。

 

(1) 糖尿病性網膜症とは

糖尿病網膜症は糖尿病で血糖値が高い状態が続くことにより起こる合併症で、三大合併症と呼ばれる代表的な合併症のひとつです。長期間血糖値の高い状態が続くと、網膜の毛細血管が傷ついたり詰まることによって引き起こされる疾患です。病気の初期では見え方に変化はありませんが、放っておいて病気が進行すると、徐々にゆがみや見えないところが現れます。最悪の場合は網膜出血により突然失明する恐れもあり非常に注意が必要です。

 

(2) 糖尿病性網膜症の有病率

糖尿病網膜症の有病率は15.0~23.0%との報告があります。しかしよほど病状が進行するまでほとんどの場合は無症状です。失明を避けるためにも可能な限り早期のうちに発見し治療することが肝心となります。

 

(3) 網膜症を防ぐためには

糖尿病網膜症の発症リスクを高めるのは、糖尿病歴とHbA1cとの報告があります。『糖尿病歴は10年以上、HbA1cは7.0%以上』だと、糖尿病網膜症の発症リスクが高くなります。

そのためHbA1c 7.0%未満(重要!!)を目指して、適切な食事運動療法や血糖降下薬による治療を行うことが重要となります。また血糖値を良好に保つことは、糖尿病網膜症だけでなく、ほかの糖尿病合併症も遠ざけることに繋がりますので可能な限りのより良い血糖コントロールを図ることが重要です。

 

 

 

内科としてはあくまで糖尿病性網膜症の進行を抑制するしかできません。しかし実際に糖尿病性網膜症が進行してしまっている場合は、失明を防ぐために眼科によるレーザー治療等を行う必要があります。

そのため糖尿病に罹患している患者さんには最低限年に一回の眼科通院を推奨しております。かけがえのない視力を失わないためにも、まだ眼科未受診の方は早めに一度受診してくださいね。

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