前のテーマでお話しした私の頭を悩ませるAI時代の到来は間もなくかもしれませんし数十年後かもしれません。AIは一体人類に何をもたらしてくれるのでしょうか。
識者がAIの有益性を語る際によく用いられる論説は、『AIの労働力により日々の生活が成立するため、人間は労働から解放されずっと趣味や娯楽を楽しむだけでいいというまるで夢の時代が到来する』というものです。確かに一般的にはそれは夢のような生活のように感じられるかもしれません。日々の辛い仕事をしなくてもベーシックインカムのようなものを享受することによって最低限の生活が保障されるため、人々は自分の趣味趣向に没頭するだけでよい時代が到来するかもしれません。
しかし私としては『AIによる労働の解放=人間の幸せ』という考え方に対して納得できない点が多々あります。果たして本当に労働からの解放が人々の幸せにつながるのか、ここに疑問を抱かずにいられません。そしてこれをより深く考察していきたいのですがそれには、労働に対して過去の人々はどのように認識していたのか、を振り返ることが重要と考えます。そのため次のテーマでは『労働の認識の歴史』をお話ししたいと思います。