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”人間の医師”の日常臨床 ~鑑別診断と除外診断について Part4~ 胸痛を例に考察

2024.04.23

ではPart1に戻りましょう。今回の患者さんは『1週間くらい左胸が痛い』わけですね。

この時点でSudden Onset(突然の痛み)の疾患は否定的になります。つまりKiller5は頭から消去してよくなります。これでまず医師は一刻一秒を争う緊急性の高い疾患の可能性は低いと一安心することになります。次に残る疾患からさらに考えていくことになります。

 

【臓器別】

(心臓:狭心症、心筋梗塞、心膜炎、不整脈 etc

(肺:肺がん、肺気胸肺塞栓 etc

(胸膜:胸膜炎、癌の胸膜転移 etc

(食道:逆流性食道炎、特発性食道破裂 etc

(大動脈:大動脈瘤破裂/切迫破裂大動脈解離

(精神:心因性

 

ここからもさらに問診を深めていく必要があります。まだ検査を持ち出してはいけません。私は元々総合内科医でしたが、経験上大体すぐに検査をしようとする医師は問診の重要性を深く理解していないので見落としが多いです。内科医は知力と経験で勝負する世界であり問診こそが腕の見せ所です。では次項で残る病気をさらに一つずつ分析していきます。

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