『死因統計』から見た生活習慣病の治療の必要性 2章|桜ヶ丘クリニック|兵庫県伊丹市の総合内科・腎/高血圧内科

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『死因統計』から見た生活習慣病の治療の必要性 2章|桜ヶ丘クリニック|兵庫県伊丹市の総合内科・腎/高血圧内科

『死因統計』から見た生活習慣病の治療の必要性 2章

vol1からの続きで綴っていきます。

先述の通り1950年代までは結核が死因の一位でした。その後から始めていきます。

 

(2)脳卒中との戦い(1950年代から1970年代にかけて)

結核が克服されるとともに若くして亡くなる方は劇的に減りました。その結果、中壮年期まで問題なく過ごす方が多くなりました。これは大きな進歩でした。しかしそこから一気に問題になってきたのは『脳卒中』です。この時期の死因一位は脳卒中でした。

ちなみに脳卒中とは、脳出血,くも膜下出血,脳梗塞の総称です。なぜ脳卒中が多かったのか。それは日本人の食生活にあります。一般的にテレビ等で和食は洋食に比較して健康という論調が多いですが、これは大きな間違いです。良いところも悪いところもあるというのが本当の答えです。あえて悪い点のみ述べます。答えは『高塩分食』です。日本はなんと世界で4番目に平均塩分摂取量が多い国です。そのため高血圧罹患率も圧倒的に高い国になります。

結核で多く方が若くして亡くなられていた時には目立ちませんでしたが、ある程度長生きするようになってからこの『高塩分食による弊害』が顕在化するようになりました。今となっては50‐60歳代で脳卒中を起こした方に対して、そんなに若くして…という印象があると思いますが、1970年代は当たり前のように人は脳卒中で50‐60歳代で亡くなっていました。まずこれを忘れてはいけません。

ではなぜ現代でお若くして脳卒中になる方をあまり聞かなくなったのか。これが今回のブログの最も重要なポイントですがここまでご覧いただいた方にとって答えは明白ですよね。

答えはもちろん『生活習慣病の治療(+会社検診による早期発見)』です。

死因統計を一度検索してみてください。1970年代から脳卒中は劇的に減少しております。これは先人の医療機関や会社/社会全体で健康増進に取り組んだ結果です。何より大事なのは高血圧,脂質異常症,糖尿病に対する薬の進歩です。

しかし現代ではこの頑張った結果がまるで当たり前のように捉えられている、そう感じます。まるで日本人が元々長寿の国であるかのような論調が目立つように感じます。先人達の努力の上で長寿国家が成し遂げられたことを忘れてはなりません。

 

ここで最初の話題に戻りますが、薬をやめたいという方が多いというお話をしたと思います。これをするとどうなるのか?答えは1970年代の時代に逆行します。つまり脳卒中で若くして死亡もしくは後遺症を抱える可能性が非常に高くなります。自分はならないと思い込んでいる人が多いですが、私は救急でこれまでまざまざと現実の厳しさを見てきました。そのためそのような予測される不幸から全力で患者さんを守りたい、そう思って日々予防治療に励んでいます。

 

なぜ生活習慣病を治療をしないといけないのか、それは死因統計を振り返るとよくご理解いただけたのではないでしょうか。本編はここまでですが、最後にもう一つ、vol3『がんとの闘い』をお話ししたいと思います。