前回は狭心症に関して説明しました。本日は不整脈についてお話しようと思います。
不整脈とは文字通り、『整っていない脈』のことを指します。
つまり不整脈を知るためにはまず『整った脈=整脈』を理解する必要があります。
(1)心房と心室
心臓には4つの部屋があります。主に上下と左右で分けます。
まず心臓の上の部屋を心房、下の部屋を心室と言います。それと左右を組み合わせて左心房/左心室、右心房/右心室という表現になります。ややこしいので左右はなしにして心房と心室のみでお話しします。
(2)整脈と不整脈について
正常の心拍の場合、心房→心室の順番に必ず1:1の対応で動きます。これを整脈と呼びます。逆にこれ以外をすべて不整脈と呼ぶことになります。
たとえば心房:心室=3:1(心房粗動)とか、そもそも心房が震えているだけでしっかり縮んでいない(心房細動)、心室が震えているだけで動いていない状態(心室細動、これはとても危険!!)等が不整脈の例になります。そしてこれらは『心電図』でしか正確に判断できません。
(3)不整脈のセルフチェック=検脈
先ほど心電図でしか『正確に』不整脈は判断できない、とお話ししましたが実際は大まかにならば把握することが可能です。それは脈をとることです。腕の脈や首の脈を取ればある程度なんとなく分かります。
①整脈の場合:トン、、トン、、トン、、トン、、と規則的に同じリズムで脈を刻みます。
②不整脈の場合
(ⅰ) 脈が飛ぶ:トン、、トン、、、、トン、、トン、、と1回抜ける感じが分かります。
ちなみにこのタイプで受診が最も多いですが基本的に大丈夫な種類の不整脈です。
(ⅱ)脈がばらばら:トン、トトトトトト、、、、トン、トトト、、トトトトトンのような感じです。
表現が難しいですね(笑)。これは心房細動という危ない不整脈を疑います。
(ⅲ)脈が触れない: 大ピンチです。ショック状態、もしくは心停止を疑います。
(4)特に気を付けるべき不整脈=心房細動
心房細動は上の部屋である心房が小刻みに震えるだけになり全然役に立っていない状態のものです。
この場合2つの危ない合併症を伴います。
①心機能を損なう:脈がひどい場合は180回とかまで増えることで働きすぎて心不全の原因に
②脳梗塞:上の部屋から血が出ていかないことで血栓ができて、それが脳に飛んでいき脳梗塞の原因に
突然動悸がする、そして検脈で脈が全くバラバラの場合は心房細動が疑われ上述のような恐ろしい合併症を伴いますので、必ず早めにクリニックや救急に受診してください。
不整脈は全てお話しするとあと10倍くらいありますので大変すぎるのでこのあたりで留めますね(汗)。
ここまで読んでくださってありがとうございました。